開発秘話 | 商品撮影セット「フォトラ」

フォトラ 開発秘話 ~幸運な出会い~

・フォトラ開発秘話1 ~幸運な出会い~
・フォトラ開発秘話2 ~幸運な出会い~
・フォトラ開発秘話3 ~幸運な出会い~

フォトラ 開発秘話1 ~幸運な出会い~

「フォトライトボックス・フォトラ」のデザイン開発について語るには、大里化工との出会いからはじめなければならない。平成22年12月「フォトラ」発売から遡ること4年半前の平成18年8月に大里化工と出会った。
木全が独立後、初めて講師を務めた墨田区主催のデザインセミナーにゲストスピーカーとして、大里化工の谷重樹さんに来ていただいたのだ。実は、平成18年6月に「中小企業のデザインコンサルタント」として独立し、最初に出会った中小企業が大里化工だった。
大里化工はBtoBの樹脂射出成形が主要業務の中小企業だが、中小企業には珍しくデザインの本当の重要性を理解していた。
というのは、木全と出会う以前から、オリジナル商品「パソコンコード収納ケース」や「iPodケース」の製造販売、ホームページ「商品開発お手伝いサイト」「ゼロからわかるプラスティック」の運営、テレビ番組「日産ニューデザインパラダイス」の試作品制作などを行い、日頃からデザイン実務やデザイナーと接していたからだ。
大里化工は、いつでも「フォトラ」を開発できる状態になっていた。
最初の出会いからしばらく後、平成20年6月に、木全が講師を務める「売れる製品開発道場」(財団法人東京都中小企業振興公社城南支社主催)に大里化工が「フォトラ」の原案を引っさげて参加した。
「製品開発道場」は半年間16回の講義で、参加企業の商品デザイン開発のお手伝いをする。そして、商品化の可能性が高ければ、「製品開発道場」から引き続き、「商品化実践道場」という形で、助成金申請からデザイン開発、販路開拓までのサポートを行う。

↑商品開発道場で製作した試作品
もちろん、「フォトラ」は筋の良い企画だったため、「商品化実践道場」に進んだ。そのとき、大里化工から、デザインアドバイザーとして木全を指名していただいたのだ。
出会いから2年半後のことだ。
デザインの重要性を理解し、筋の良い企画を持った中小企業との出会い。中小企業のデザインコンサルタントにとって、こんな「幸運な出会い」はめったにあるものではない。ありがたいことだと思っている。

フォトラ 開発秘話2 ~幸運な出会い~

「フォトラ」のデザイン開発は、以上のような経緯があって始まったため、順調に進行した。「製品開発道場」で半年間、共にコンセプトを考え、試作品まで作り上げていたことも効を奏したが、開発が順調に進んだのには、もっと大きな理由がある。それは、平成18年の出会いからそれまでに、お互いの信頼関係が構築できていたことだ。
平成21年10月からの半年間には毎月2回の打合せを行い、コンセプト決定、市場調査、大手通販会社仕入担当者やプロカメラマンへの意見聴取、ユーザビリティ検討、デザイン決定、詳細設計、金型図面作成、商標検討、価格設定などの作業を進めながら、本体の小型化、照明拡散シートの大型化、可動反射板の角度調節ラチェット機構、光量調節ディフューザーシート、グラデーションシートの素材、低重心化のための底面の板金化、蛍光灯の梱包方法、三脚穴の追加など、細部についてアイデアを加えていった。デザインの神様は細部に宿るのだ。

↑商品名、ロゴの検討
商品デザイン面では、機能重視の「フォトラ」は、収納しやすいシンプルな四角い箱の中に、機能が詰め込まれていること、使いやすさ、親しみやすさを表現することが重要だった。背面や細部など、細かいところまで気を配った。「フォトラ」という商品名やその書体も、親しみやすさを重視している。
量産試作が10月に完成し、関係者や知人を対象にモニター調査を実施した。調査結果から、日頃から商品写真撮影をしているモニターから好感触が得られ、特にデザイン学校での評価が高く、モニター調査時点で数台の購入予約をいただいたりもした。
そして、開発開始から900日の時を経て、平成22年12月ついに「フォトライトボックス・フォトラ」が発売の運びとなった。どんな良い商品でも売れなければ意味がない。これから、「フォトラ」にどんな世界が待ち受けているのだろうか。

フォトラ 開発秘話3 ~幸運な出会い~

「フォトラ」開発の900日の間には、もちろん紆余曲折があった。
しかし、次の3つのポイントを上げて、「フォトラ」デザイン開発の話を締めくくろうと思う。
↑外装デザイン検討。
●開発責任者がメインターゲット
第一のポイントは、写真撮影が大里化工の谷和雄社長の趣味だったということだ。開発責任者である谷社長自らが絶対ほしいと考えていた商品が「フォトラ」なのだ。
「フォトラ」の商品構成は、企画当初から「照明2台+グラデーションペーパー」だった。ともすれば、「売り易くするため本体を1台にして単価を下げよう」「必要なユーザーには2台買ってもらおう」「グラデーションペーパーも市販のものを買ってもらおう」と考えがちだ。
しかし、谷社長は開発当初から、商品をきれいに撮影するためには、最低限「照明2台+グラデーションペーパー」が必要だと強く主張した。日頃写真撮影に苦労しているデザイナーとしても、反対する理由は全くない。ただし、製品単価が高くなってしまうことに目をつぶるとしてだが。。。
開発責任者自らが絶対ほしい商品を作る。だからこそ、開発が頓挫してもモチベーションを維持できるし、アイデアも湧いてくる。中小企業の商品デザイン開発の醍醐味であり、最重要ポイントだ。
●商品コンセプトの共有
関係者が違うことを考えていると、何事もうまく進まない。「フォトラ」の場合「製品開発道場」の半年間で、コンセプトを練り上げ、それをデザイナーも含め、開発関係者全員が共有していた。コンセプト決定から販売開始までの2年間、そのコンセプトがぶれなかったことも、開発が順調に進んだポイントだ。ちなみに、「フォトラ」のコンセプトは以下の10項目だ。
「フォトライトボックス・フォトラ」の製品コンセプト
商品の存在理由ネット社会になり女性の「写真をきれいに見せたい」という表現欲求の高まりに答える。
差別化要因低価格。軽量コンパクト。簡単操作。本棚に収納。
ターゲット設定カメラライトユーザーの女性。
ニーズ設定フルオートコンパクトデジタルカメラでも驚くほどきれいな写真が撮れる。
使用シーン設定ネットオークションやブログに載せるきれいな写真を簡単に撮る。
企業理念の確認写真マニアである谷社長の作りたいという想い。
シーズ設定谷社長のカメラテクニックと樹脂成形技術。
販売ルート設定道場の支援を仰ぎ、試作開発期間中に確定する。
商品構成家庭用100V。2個ワンセット。
背景用グラデーションシート同梱。
デザインコンセプトコンパクト。女性にふさわしいデザイン。
●ネーミング
商品にとって、ネーミングは大切だ。上記の製品コンセプトに基づき、次のような使用シーンを、関係者全員で共有できたため、コンセプトに相応しいネーミングとロゴタイプが生まれた。
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「フォトラ」使用シーン
えい子(仮名)としいな(仮名)は20代の女性で、自作アクセサリーを、二人でネット販売したいと考えている。えい子が、新作アクセサリーの写真を撮るため、机を片付けながら、言った。
「ねえ、しいな。きれいに撮りたいから○○○、取って」
「アレ?○○○、どこに置いたっけ?」
「○○○は本棚に、決まってるじゃない(笑)」
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使用シーンの「○○○」に相応しいネーミングとして、愛称「フォトラ」(正式名称「フォトライトボックス」)が生まれたのだ。ネット調査したところ、「フォトラ」とは、「ケルト神話の戦いの女神。土地の主権者たる三人の女神の一人」とのこと。
■終わりに
木全の自宅に量産試作が届き、初めて一人のユーザーとして「フォトラ」を使ってみたときの感想を、最後にお届けします。ご購入いただいた皆さんにも、是非この感覚を味わってほしいと、心より願っています。
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大里化工 谷社長様
夜分遅くにすいません。木全です。連絡が遅れ、申し訳ありませんでした。宅配便の手違いで、今日の夜、「フォトラ」が手元に届きました。早速、使ってみました。「フォトラ」凄いです。驚くほど、使い勝手がいいです。自宅で使ってみて、あらためて、その使い勝手の良さに驚いています。いくつか写真を撮ってみました。真夜中なのに、たった数分でこんなにきれいに撮れました。添付しますのでご笑覧ください。とにかく、「フォトラ」は凄いです。
木全賢 拝
平成22年11月6日
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